株式会社エムリンクホールディングスの本見研介代表取締役は年頭の挨拶で、消費者物価の高騰、引きずるコロナの影響、最低賃金の引き上げなどで介護福祉業界にとっては追い討ちの状況であること、介護報酬が据え置きで来年も再来年も上がる予定はないとの話から「そんな中で利用料を上げるわけにもいかないということで、非常に厳しい状態を私たち福祉関係の事業者は強いられているが、これは残念ながら去年だけの話ではなく、今年も続く」とし「民間の株式会社は、ここから知恵を絞って何ができるのかということを考えていかなければならない」と述べました。また、人口5000人以下の街で介護事業を続けてきたエムリンクホールディングスグループの実績を踏まえ「私たちの強みは、どんな小さな自治体にでも、そこに高齢者や障がい者がいる限り、介護を続けられる力を、ノウハウを持っているということ。この強みを生かしながら地域のために何ができるのかということを、これからもしっかり皆さんと考えていきたい」と締めくくりました。
続いて、グループ各社の代表らが登壇し挨拶した後、乾杯の発声とともに懇親会がスタート。昼食後は人材獲得プロジェクトチームによる2040年の将来に向けた人材獲得戦略についての説明も行われました。
今年のメインイベントは、社会福祉法人札幌明啓院「特別養護老人ホームフローラルさつなえ」理事・施設長の髙谷敦生氏による講演です。髙谷氏は「“福祉人としての本質を見失わない” 介護は心と言葉と行い」と題し講演。
2022年8月に出版された著書「道具七分に腕三分 介護は心と言葉と行い」の話やその内容をはじめ、福祉や介護に携わる人たちが今聞きたい金言が随所にちりばめられた、新春にふさわしいお話を聞くことができました。
髙谷氏は「福祉や介護に携わる職員一人ひとりが『介護に対する自分の理念みたいなもの』を持っている。これは言い換えるならその職員個々の『福祉論』。これが近い職員同士はすぐ結束し、合わないと関係は希薄なまま。職場と合っていると感じると長く働きます。そうでないと『ここは違う…』と、いとも簡単に辞めていきます」とし「この職員個々の持つ『福祉に対する考え方』に理解をしつつ、それを『職員全体の福祉論』へ職場としてどう伝え導くかが、その職員にとって働きやすい環境かどうかに大きく影響します」と語りました。
また、著書「道具七分に腕三分 介護は心と言葉と行い」のタイトルにちなんだ話から「介護とは、介添えして護る(まもる)ということ。私たちは『やさしい心・伝わる言葉・実際の行い(行動)』この3つの道具を駆使して、困っている人を護っている」とし「介護は簡単な仕事ではありません。だからこそ…道具の手入れは欠かせない。私たちも日々『心・言葉・行い』が乱れないようチェックしながら、それらに磨きをかけていかねばなりません」と呼びかけました。